2020年のオリンピックが東京に決まり、久しぶりの明るい話題に盛り上がっていますが、皆さんはお茶のオリンピックをご存知ですか?
全国茶業連合青年団が主催する歴史あるお茶の審査技術競技大会、すなわち「全国茶審査技術競技大会」の事です。
内容はこんな感じです。
全国のお茶産地(過去記事参照)の中から10産地のお茶を、お茶の葉の形や香りだけで判別し、飲まずに答える競技。
次には、茶碗の中の茶の葉に熱湯を注ぎ、水色(すいしょく)、香り、葉の形から、「やぶきた」「おくひかり」「ゆたかみどり」等の品種を答える競技。私などには全て同じ様に見えてしまうほどの、難しい問題です。
もちろん、お茶を飲んで産地を答える競技もあります。5種類のお茶が出題され、4回競技をおこない、総合点で争います。
「煎手」と呼ばれるお茶を入れる係は、全国茶業連合青年団のOBが担当します。1回ごとに味が変わらないように、神経を使ってお茶を用意するのです。
この競技で、ひとつ難しい点があります。
それは、お茶ひとつ飲むたびに、必ず解答しなければないということです。
ひとつ目を飲んで「狭山茶」と答えてしまい、次に出てきたお茶を飲んで「しまった!これが狭山茶だ!」と思っても、先ほどの答を変える事ができません!
一度答を間違えると、挽回するのが難しい競技なのです。
優勝者には農林水産大臣賞が授与され、得点により最高十段位までの段位も授与されますので、選手達は一生懸命に練習します。
★練習風景についての記事もご覧ください。
競技大会に出場したり、練習を重ねたりするごとに、若い茶業者達に「お茶を見る目」がついてきます。「お茶を見る目」は、美味しいお茶をお客様へお届けする事に必要な力になります。
競技大会の本当の目的は、「お客様に美味しいお茶をお届けする」力を身につける事なのです。
★2011年の「全国茶審査技術競技大会」レポート記事も公開されています。