今回は、2011年7月20日(水)に東京茶業会館8階(東茶協ホール)において開催された「第41回東京都優良茶品評会」の様子をレポートします。
この品評会は、全国の各生産地の問屋さんより出品された仕上げ茶をプロの目と舌で慎重に審査するもので、当組合員である「プロのお茶屋」が集合して真剣に審査を行うものでした。
出品茶を審査するポイントは、下記の4つです。
- 滋味(淹れたお茶の味)
- 水色(淹れたお茶の色)
- 香気(淹れた香り)
- 外観(淹れる前の茶葉の見た目)
この順番で審査を行い、それぞれのお茶に点数を入れていきます。この順番に関しては東京独自のものがありますので、以下の文章をご参照ください。
本品評会は仕上煎茶(※1)の品評会で、内質(味と香り)の良否に重点を置き、商品価値の高い茶を評価する審査を行っております。
各産地の特徴を備えかつ東京都を中心とする茶の需要に適合した優良茶を選定し、消費の増強と生産技術の向上により茶業の振興を図ることを目的としております。
審査方法
【1】滋味(じみ)【2】水色(すいしょく)【3】香気(こうき)【4】外観(がいかん)の順に行い、香気を滋味の得点順にならべる以外は無差別として、各項目はすべて一回で行います。得点配分は滋味と香気が各70点、水色と外観が各30点で総合計が200点に近い出品茶が上位となります。
東京の嗜好に合致した爽快感や咽喉越しの良さ、旨味を引き出すべく巧みに火入れした滋味と香気を重視した仕上げ茶を優良茶にしております。
※1 「仕上煎茶」とは、荒茶から葉の形を整えるためふるい分けたりする「選別」のあと、茶をさらによく「乾燥」させ香りや味を引き出す仕上工程から出来上がった煎茶のことです。
また、出品茶は値段によって次の3つのクラスに分けられ、審査されます。
- 都の華(上級)
- 都の誉(中級)
- 都の香(並級)
では、まず「滋味(淹れたお茶の味)」の審査の様子を見ていきましょう。
厳密に番号で管理された出品茶と拝見茶碗(審査茶碗)のセットが準備されます。
茶碗の中にセットされるのは、前理事長考案の組合オリジナルネットカップ。金属ではないので、お茶の味を邪魔しません。
ストップウォッチで秒数を計りながら、各茶碗に差が出ないように厳密にお湯が注がれていきます。
スプーンでお茶をすくって口にいれ、全てのお茶の味を確かめていきます。
机の上で評価の高い順に茶碗が並び替えられ、点数の札が与えられていきます。
評価に合意を得られたら、茶碗をひっくり返して番号を確認。得点が記入されていきます。
次は「水色(淹れたお茶の色)」の審査です。先ほどと同じ方法で淹れたお茶の色や濁り具合を観察し、評価していきます。
三番目の評価軸は「香気(淹れた香り)」です。網を使って茶葉をすくい、香りを確かめていきます。
最後は「外観(淹れる前の茶葉の見た目)」。黒くて四角い拝見盆(審査盆)に茶葉を入れ、葉の大きさ、崩れ、色などを厳しく確認していきます。
外観審査の終わったお茶は箕(み)で集め、きちんと整えて、組合の内々で美味しくいただきます。
このような厳正な審査により、今年も以下の賞が決定いたしました。このあと9月の入札会を経て、組合員各店に買い取られたお茶が、皆さまのお手元に届きます。楽しみにお待ちください。
都の華
- 1等1席 農林水産大臣賞 株式会社 鈴木長十商店(静岡県周智郡森町)
- 1等2席 農林水産省生産局長賞 松浦製茶 株式会社(静岡県周智郡森町)
- 1等3席 東京都茶協同組合優秀賞 大石商店(静岡県周智郡森町)
都の誉
- 1等1席 東京都知事賞 鈴木長十商店(静岡県周智郡森町)
- 1等2席 東京都産業労働局長賞 有限会社 入手製茶(静岡県周智郡森町)
- 1等3席 東京都茶協同組合優秀賞 三重大製茶 株式会社(静岡県掛川市)
都の香
- 1等1席 (社)日本茶業中央会会長賞 大井川農協川根茶業センター(静岡県榛原郡川根本町)
- 1等2席 全国茶商工業協同組合連合会理事長賞 大井川農協キタハイ茶業センター(静岡県島田市)
- 1等3席 東京都茶協同組合優秀賞 株式会社 桑原園(静岡県掛川市)
- 出品商社数 50社
- 出品数 都の華 47点/都の誉 46点/都の香 28点
[入札資格者は、「東京都茶協同組合の組合員」及び「日本茶業関東地区協議会各団体長の推薦者」とさせていただいております。]