町のお茶屋さんに行くと、たいていのお店で「海苔(のり)」が置いてあります。
よく見る当たり前の風景ですが、山の農産物であるお茶と、海で生産される海産物が、なぜ混在して販売されているのでしょうか。
ということで、今回は、お茶屋さんの扱っている海苔のトリビアをいくつかご紹介していきましょう。
なぜお茶屋さんに海苔がつきものなのか?
これについては、諸説があります。
(1)昭和20~30年代には現代のように保存に適した包装資材が無かった。臭いや湿気を嫌う商品である「茶」「海苔」は、ある種の専門的管理が必要だったため。
(2)「茶」「海苔」は、同じような保存方法で対応できたため。
(3)お茶の生産時期は4月から9〜10月頃まで。海苔の生産時期は11月から3月頃までと、ちょうどよいずれがあるので、一年間販売ができるため。
しかし、どの説にも確証はありません。
海苔屋さんの出身地は、長野県?
東京の海苔屋さんの出身地は、長野県の方が多いというお話を聞いたことがあります。これは雪深い長野で冬場の出稼ぎのために東京に行き、そのままお店を持ったという説があるようです。
海苔の語源ってなに?
海苔の語源がヌルヌルするという意味の「ヌラ」がなまって「海苔」になったと考えられています。
「浅草海苔」の語源ってなに?
江戸前のお鮨屋さんでは、東京湾近海での海産物の素材として海苔も重宝されています。
よく「浅草海苔」といわれる語源も諸説あるようで、浅草寺近くの海で採れた原藻を浅草和紙の漉き方で作ったからとか、「アサクサノリ」とう品種名から来ているとかいわれています。
関東の海苔と関西の海苔
関東地区と関西地区とでは、海苔の食文化も違うようです。
関東で海苔と言ったら「焼海苔」の事を指すようですが、関西方面では「味付け海苔」を指すようです。
食生活の違いは、こんなところにも出ているんですね。
海苔を数える単位
海苔の単位は「帖(じょう)」と言います。海苔が10枚=1帖です。
同じ「帖」を使う和紙では、美濃紙で48枚、半紙ならば20枚、西洋紙ならば12枚が1単位「帖」となります。
海苔箱
各産地より送られてくる海苔箱は、1箱に360帖入っています。
海苔帯
10帖を束ねて、「海苔帯」と呼ばれるこの紙帯で閉じてあります。帯には産地、生産者、等級等が記入されています。
海苔の表と裏
19cm×21cmのスダレで海苔を作ります。すだれに接してザラついている方が裏、ツルッとしている方が表面になります。海苔を焼く時は表面を2枚内側に合わせて裏面を焼くと良いとされています。
おいしい海苔の焼き方
おいしい海苔の焼き方をご紹介しましょう。
今でこそ海苔は加工して焼海苔、味付け海苔の形で販売されることがほとんどですが、以前は乾海苔を自宅で焼くのが普通でした。
皆さまも乾海苔をお買い上げいただき、自宅で焼いて香りを楽しむのも一興かと思います。
熱源は電熱器等水分の少ない物を使い、海苔の表面を2枚内側に合わせて裏面を交互に焼きあげると、風味の良い焼き海苔が焼き上がります。
「海苔の日」っていつ?
「海苔の日」は「2月6日」だそうです。由来については、下記のページをご覧ください。
お茶とともに海苔も商う町のお茶屋。次回のご来店の際には、ぜひ海苔もチェックしてみてくださいね。