新年あけましておめでとうございます。
コロナも第8波に入りなかなか感染者は減らないようですが、感染力の割に重症化に対する心配は少ないようです。また、インバウンドもあり、街中の人出は多くなってまいりました。
寒中、インフルエンザの流行と相まって風邪等には気を付ける必要があります。お茶によるうがいや手洗い、健康維持が重要な季節となります。昔から「朝茶はその日の難逃れ」「朝茶は七里帰っても飲め」と言われ、普段の日常の生活でお茶が欠かせない時期になりました。
さて、普段私たちが飲んでいる喫茶風習は何時ごろからかというと、江戸時代の禅僧 売茶翁(ばいさおう)高遊外(1675~1763年)によるものが大きく影響しております。61歳に京都・鴨川べりに於いて売茶をはじめ、68歳に高遊外と改名します。「茶銭は黄金百鎰(いつ)より半文銭までくれしだい。ただにて飲むも勝手なり。ただよりほかはまけ申さず」と称して身分を問わず喫茶を提唱し、後に伊藤若冲、上田秋成など、多くの文人の中に普及しました。
昨年「東京都茶協同組合」に於いて組合店また関連する業界の方々に「喫茶去」禅語の書かれた扇子を配布させて戴きました。「お茶を飲んでいきませんか」という意味の言葉です。
本年はインバウンドと共に多くの海外の方が日本に見えられます。本年こそ日本のお茶屋さんより世界の多くの人に日本茶とともに日本茶の文化、喫茶風習が広まり、健康で世界平和の心が実現出来るよう心より祈念する次第です。
東京都茶協同組合 理事長
君野信太郎