連載「おいしいお茶を淹れる」:目次
- プロローグ
- ステップ 1「基本的なお茶の淹れ方を知る」
- ステップ 2「お茶を知る【前編】茶種を知ろう」
- ステップ 2「お茶を知る【後編】一杯のお茶にすべてが含まれている」
- ステップ 3「お茶に合った淹れ方が出来る」
- ステップ 4「飲む人に合わせて淹れる」
ステップ1「基本的なお茶の淹れ方を知る」
お茶を淹れるには、「お茶に合わせて淹れる」ことが基本です。
それにはお茶を知ることが大事になりますが、これはステップ2と3に譲るとして、ここでは基本的な「上煎茶(組合加盟茶専門店100g1000円位の深蒸し〜中蒸し茶)を淹れる」勉強をしてみたいと思います。
1:道具について
急須(約250ml)、湯呑み(100ml位)3つ、湯冷まし(マグカップ等でも可)、茶托(お客様用に)、ティースプーン、ポット、湯沸し(やかん等)、布巾、上煎茶(茶缶に在中)
2:お茶を淹れる手順(小振りの湯呑みに3人分淹れます)
まず、やかん等の湯沸しで沸騰するまで湯を沸かします。水は水道水でけっこうです(沸騰してから2〜3分沸かし、ポットに移します)。
- 道具の準備が出来たところでポットのお湯を湯冷ましに注ぎます。季節、気温の状態によって異なりますが、一回容器に移すごとに10℃湯温が下がるとお考えください。
- 急須にティースプーン摺り切り(1杯のお茶の量が約2gです)3杯のお茶を入れます。
- 湯冷ましの湯を湯呑みに移します。各湯呑み8分目位入れます。
- 湯呑みが温まり、持てる程度になった頃を見計らって(お湯の温度は70℃位になります)湯呑みの湯を急須に注ぎ入れます。
- 急須の蓋をして約30〜40秒待ちます。お茶の蒸し度によって異なりますが、普通蒸しの煎茶の場合は2分くらいかかります。
- いよいよお茶を湯呑みに注ぎますが、濃さと湯量が均一になるように少しずつ湯呑みに廻し注ぎをします。1→2→3と注いだら、3→2→1ともどし注ぎ、2〜3往復で最後の一滴まで注ぎ出します。
- 注ぎ終わったら急須の持ち手を左手に持ち替え、蓋を取って注ぎ口と反対の急須の胴部分を右手でポンと叩きます。これにより、急須の中のお茶が注ぎ口から中央に寄り、2煎目のお茶が注ぎ易くなります。そして急須のお茶が蒸れないように、蓋を少しずらして置きます。
- 注ぎ終わった湯呑みの底(糸尻)を布巾で拭いて茶托に載せ、お客様に差し出します。
- お客様は「頂きます」と言って湯呑みの淵を右手の親指と人差し指で取り、平らにした左掌に湯呑みを乗せ、右手を添えた状態で頂きます。
- 2煎目は1煎目より少し熱めのお湯(ポット→湯冷まし→急須)を使い、早めに(15秒位)に廻し注ぎをして注ぎ分けます。
- 3煎目はポットより直接急須にお湯を入れ、直ぐに廻し注ぎをしながら湯呑みに注ぎます。
3:おいしく淹れるポイント
このようにお茶を淹れる過程の中でお茶がおいしくなるかどうかの重要なポイントがあります。
- お湯の温度
- お湯の量
- お茶の量
- 待つ時間(浸出時間)
- 注ぎ方(廻し注ぎ、最後の一滴)
この5つのポイントの使い方で、微妙なお茶の淹れ方の工夫が出来ます。これは最後のステップ4で勉強しましょう。