今日は、静岡県中西部に位置する全国有数のお茶産地「掛川市(掛川茶)」についてご紹介します。
掛川茶というと、すなわち「深蒸し茶」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんね。ご存じない方のために、「深蒸し茶」とはどんなものか、ちょっとお話ししましょう。
深蒸し茶は、1950年代の静岡県牧ノ原台地が発祥の地とされ、複数のお茶農家さんが同時期に研究を進めて作られたお煎茶です。現在では、深蒸し茶は全国のお茶産地で作られるようになっています。
お茶の葉を通常の2〜3倍長い時間(=60〜120秒)蒸す事で、苦みや渋みが抑えられたまろやかな味のお茶になり、急須で淹れると水色は濃い緑色になるのが特徴です。
カレーやシチューを長時間かけて煮込む時、ジャガイモやニンジンが煮くずれますが、それが美味しさにつながりますよね。深むし茶も同じイメージです。長く蒸す事で新鮮な香りが少し弱くなり葉が崩れて粉が多くなるのが、少し欠点かもしれません。
少し話は変わり、掛川の風景についてもご紹介しましょう。
掛川市東部のお茶畑から望める「粟が岳」の斜面にはこの写真のような「茶」の文字があります。
「茶」という文字を形作っているのは当然「茶の木」だと思われがちなのですが、実は茶の木では背が低くうまく描けないので、もう少し背の高い木で作られているのです(笑)。
さて、掛川には、「掛川スタディ」という施設があります。お茶と健康の関係に興味のある方はご存知かもしれません。
農林水産省の委託事業として、東北大学/九州大学/野菜茶業研究所掛川市が、ここで日本茶の健康増進効果について研究しています。
一つの研究例をご紹介します。粉末にされた2種類の日本茶と1種類の偽物を、掛川市のボランティアの方にしばらく飲み続けてもらい、後に検査を行いました。すると、悪玉コレステロール値が下がり、善玉コレステロール値が上がった方が多くいらっしゃいました。もちろん短期間の調査では結論づけることはできませんので、5年10年と調査研究が続くそうです。どんな発表がなされるか楽しみです
当組合の組合員のなかには、この掛川茶を取り扱う店も多数ありますので、ぜひお試しください。組合員店舗の検索は、下記のリンクからどうぞ!