こんにちは皆さん。今日は、「玉露の美味しい淹れ方」のお話をいたします。
「玉露」という名前はご存じでも、「高いお茶なんでしょ?」という漠然としたイメージをお持ちかもしれませんね。
そんな方のために、まず最初に「玉露」とはどんなお茶なのか、ご説明しましょう。
玉露の育つ茶畑
みなさんは、この写真のようなお茶畑を見た事がありますか?
覆いをされたお茶畑ですが、東京の近くではほとんど見かませんね。実はこのお茶畑では、「玉露」または「抹茶」用のお茶の葉を作っています。
畑に覆いをして日光を遮る事で光合成をしなくなり、地中から吸い上げたアミノ酸が消費されず、葉の中に旨味・甘みが残って濃厚な美味しいお茶になるのです。
玉露と抹茶の違い
玉露と抹茶は、日光を遮って茶の葉を育てるところまでは一緒ですが、その先の製法が変わってきます。
玉露は、摘み取り、蒸した後、揉みながら乾燥させて、形を整えます。煎茶と同じ製法です。
抹茶は、摘み取り、蒸してから、揉まずに乾燥させます。この状態を「碾茶(てんちゃ)」と言い、碾茶を石臼で挽いた物が抹茶になります。
玉露の味と香り
玉露は見ただけでは煎茶と変わりがないように思えますが、手に取って嗅ぐと旨味を感じる香りがします。昆布・鰹などからとった「出汁」と同じような香りです。
玉露は、エスプレッソコーヒーと同じように少量で楽しみます。ぬるま湯を使用して、時間をかけてじっくり淹れ、葉の中に含まれているアミノ酸の甘み・旨味を味わうのです。
実際に玉露を淹れてみよう
基本的に、使用する茶道具は煎茶と同じなのですが、写真を参考にして、少し小ぶりの物を用意してください。
玉露の淹れ方は煎茶と似ていますですが、茶の葉の量、お湯の温度、浸出時間が違います。
お茶の葉の量→10グラム
お湯の量は→3杯分で60〜80cc(1杯20ccから30ccになります)
お湯の温度→50℃〜60℃
浸出時間→2分30秒〜3分
玉露を淹れる最適な浸出時間は「2分30秒〜3分」と長いのですが、慣れないうちは1〜1分30秒ぐらいにしてしまいがちです。ぜひ、そこにご注意ください。
もう一つ、大事なことです。1杯20cc〜30ccと極少量なので「まわし注ぎ」を忘れがちですが、「まわし注ぎ」は美味しくお茶を淹れるには大事な事ですので、お忘れなく! そして、「最後の一滴」まで絞りきりましょう。
玉露は、秋になると熟成され、美味しさがますと言われております。皆さんもぜひ、お試しください。