お茶の一大消費地・東京で活動する私たち東京都茶協同組合では、「急須で淹れるお茶の美味しさ」と「茶を通じたおもてなしの心」を次世代の子供たちに伝えるため、小学校を中心とした食育授業「日本茶教室」を実施しています。
このウェブサイトでも、これまでに何度か日本茶教室の様子をレポートしてきました。
コロナ禍の期間は、1年間授業実施数ゼロという年もありました。また、茶の淹れ方実習で淹れたお茶を実際には飲むことができないなど、多くの制約もあったのです。
そのなかで、日本茶教室を主催する組合員と講師を務める日本茶インストラクターの皆さんが工夫を凝らし、実施数は少ないながら「日本茶教室」を続けてきました。
今回の記事では、2023年2月~2024年1月の日本茶教室活動報告をいたします。
2023年2月~2024年1月の日本茶教室活動の様子
この1年間はコロナ禍以前と変わらない授業内容が組めるようになり、授業開催の申し込み数も格段に増加しました。小・中学校で21校の授業を実施することができ、受講した児童生徒の数は約1,500名となりました。
組合事業として行う日本茶教室のプログラムでは、
① 日本茶の概要についての説明
② 数種類のお茶の観察
③ 数種類のお茶の試飲(お茶当てゲーム)
④ お茶の淹れ方デモ
⑤ お茶の淹れ方実習
⑥ 授業のまとめ
等を、授業時間に合わせて組み立てます。
数種類のお茶の観察の様子
お茶の淹れ方デモの様子
その中でも、 ⑤「お茶の淹れ方実習」では、子供たち自身がお茶を淹れること、 ⑥「授業まとめ」 では、「お茶を美味しく淹れるためには淹れる相手への想いが大事である事」、このふたつは必ず伝えるようにしています。
授業のあと、受講した児童の感想文を送ってくださる学校もあります。
このような子どもたちのみずみずしい感想をいただける「日本茶教室」を続けていく事は、日本文化の継承にとっても非常に重要だと私たちは考えます。そのためには授業の講師、スタッフ参加の日本茶インストラクター、日本茶アドバイザーの皆さんのご協力が欠かせません。
多くの日本茶インストラクター、日本茶アドバイザーの方々が授業スタッフとして参加していただけるよう、一昨年から研修会もはじめました。
この研修会で、組合の「日本茶教室」がどのように行われているか、スタッフとしてどういった役目があるのか、また活動の楽しさなども含め、理解を深めていただければと思っています。
今後もスタッフ研修会や講師養成研修会などを継続して実施し、授業実施希望校の皆さまのご期待に来年度も応えられるように努めるとともに、日本茶普及活動の一環としても「日本茶教室」を行ってまいります。