日本茶専門店の組合【東京都茶協同組合】 日本茶 緑茶 煎茶 お茶 ほうじ茶 玉露 玄米茶 抹茶 茎茶 粉茶は専門店へ
トップ -> 最新情報 -> 【連載】おいしいお茶を淹れる ステップ2「お茶を知る【前編】茶種を知ろう」
お茶専門店には、いろいろなお茶が販売されています。
小学校で「日本茶教室」の授業のはじめに「今朝お茶を飲んできた人?」と約35人クラスの生徒さんに質問すると、約1/3、10名位の人が手を挙げます。
「麦茶はお茶ではありません」と言うと、その2/3が手を降ろします。1/10(だいたいクラスの3〜4名)がお茶を飲んできたことになります。
そこでまず、お茶屋さんで売っているお茶について少し勉強をしてみましょう。
お茶の木はツバキ科の椿や山茶花などと親戚関係にある植物で、学名「カメリアシネンシス」という亜熱帯地方の常緑樹です。
お茶とはこのお茶の木の葉、芽から作られたもので、大きくは紅茶、ウーロン茶、緑茶(日本茶)分類されて作られます。
茶の葉が自分の持つ酵素によって酸化したものが「紅茶」です。リンゴを切って放置すると切り口が赤くなってきます。お茶も同じように、摘んできた葉っぱを湿度の高い部屋で風を送りしおらせて、お茶の持つ酵素の働きで酸化発酵させると、甘い香りを放つ紅茶になります。
ウーロン茶は、室内外で酸化発酵をさせ、独特な香気を放つところで熱を加え、発酵を中途で止めたものです。
そして茶の葉に初めから蒸気や熱を加え、酸化をさせないで加工したものが、私たちが飲んでいる日本茶(緑茶)です。
緑茶の多くは煎茶として作られます。
茶畑で摘採された茶の葉を荒茶工場に持ち込み、まず蒸気によって蒸します。そして圧力を加えながら乾燥をしていきます。最後に撚るように揉み込んで最後乾燥機で水分5%位まで乾燥します。この工程で出来たお茶が荒茶と呼ばれるものです。
この荒茶は、茶市場や斡旋屋、仲買人などの手を通し市中の問屋さんへ売り渡され、再加工されます。
商品価値を上げるために、切って大きさを揃えて形を整え、棒・茎を外し、芽や粉を抜いて、水分3%位になるまで再度火入れ乾燥を行います。この火入れ加工の技術によって、味の深みを出す事ができます。
この状態を仕上茶と言い、ランク別に、また皆様の嗜好に合わせて整理、分類、ブレンドされ、私ども、東京都茶協同組合加盟店である消費地問屋、茶専門店に売買され、袋詰めされて店頭に並び、皆様のお買い求めいただいているお茶となります。
このお茶は、次に説明する「出物」に対して「本茶」とも呼ばれます。
仕上の段階で外した棒茎・葚(芽)・粉も、火入れ乾燥をして仕上げ、茎茶・芽茶・粉茶となって店頭に並びます。
これらのお茶は出物といって、元の本茶の価格からすると半分以下の値段で安価で良いお茶を飲むことが出来ますが、それぞれの特徴があります。
茎茶は茎の香と甘みがあり、粉茶は濃さはありますが香は薄くなります。
また芽茶は若芽の味のきつさ濃さが特徴で、濃いお茶好きの方から好まれております。
またお茶専門店には煎茶・番茶のランク別の仕上茶のほかに、玄米を炒ったものとポップコーンのようにはぜさせたものを混ぜた玄米茶、仕上茶を焙じた焙じ茶があります。
これらのお茶は二次加工といって仕上茶をブレンドや加工をして新たな種類のお茶にしたものです。
その他、お茶屋さんにあるお茶としては玉露・抹茶があります。
玉露・抹茶は、お茶の木から新芽の芽吹くころ、覆いをして日光を当てないようにします。徐々に遮光率を上げ、脇もむしろを掛けて覆い、摘採の頃には90%以上の遮光をします。
地中からの吸い上げたアミノ酸が光合成をしないため茶の葉に旨み、甘みとして残ります。抹茶は暗い茶畑の中で更に5〜6葉位まで伸ばして摘採した葉を蒸気で蒸し、開いた葉のままの状態で乾燥します。
乾燥された葉を壊して葉脈を外して茎、葉肉だけ取り出します。これを「碾茶(てんちゃ)」といい、石臼で挽いて抹茶となります。碾茶は半製品ということもあって、あまりお茶屋さんの店頭で販売されることはありません。
またお店によっては「玉緑茶」を置いているお店もあります。
玉緑茶には蒸し製玉緑茶と釜製玉緑茶があります。通称グリ茶とも言い、蒸しグリ、釜グリなどと言う場合があります。
蒸し製玉緑茶には、伊豆方面でグリ茶という名称で販売しているものと、九州地方で釜製玉緑茶に準じて作られる火香の強いものがあります。
伊豆のグリ茶は、深蒸しのお茶を最後の撚りを加えずに乾燥したもので、深蒸し茶をソフトな味で楽しめます。しかしこのお茶は主に物産としての販売に限られています。
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