2015年7月31日

平成27年度「抜買い審査」を実施しました

「抜買い審査」とは、組合加盟店を中心に、審査担当者が身分を明かさず手分けして茶を購入し、「緑茶の表示基準」が順守されているかを審査する事業です。当組合では、この事業を数十年にわたり実施しています。

対象の茶の種類は「煎茶」。購入時に同じ価格のものがあれば、お店のおすすめのものにします。

この事業の一番の目的は、茶袋の裏面に記載されている「緑茶の表示基準」が順守されているかということです。

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茶袋にはいろいろな情報が記載されており、名称、原産国、産地、賞味期限、販売者などの表示がされているのか、茶袋の裏表に書かれていることが、景品表示法、健康増進法等に違反していないか、をチェックします。

たとえば、「がんが治る」、「認知症に効く」、「痩せる効果あり」、「美容に最適」と茶袋にうたった場合は違反となります。きちんとした、エビデンス(証拠)があればもちろん問題はないのですが……。

個人的な考えですが、お茶でも他の食べ物でも飲料でも良いのですが、それをとることによって、体重の増加が抑えられるということはないと思っています。理屈でいえば、それを摂取することによってカロリーを減少させるということは難しいでしょう。もう一つは、摂取した食物を消化吸収させないという方法が考えられますが、これは、安全性に問題はないのか?と考えています。

それはさておき、お茶はケミカルなものを加えておらず、0カロリーといってよい飲み物なので、カロリーのある飲料を飲むよりもカロリーオフになることは確かです。何百年にわたり飲み続けられた歴史があり、茶そのものの安全性は確保されているといって良いと思います。

よく、深夜のCMでこんなに痩せたということが出てきます。併せて、食事と適度な運動が大事ということがおまけのように表示されています。でも、そっちが大事じゃないのというツッコミを入れてしまいます。

また、「○○は××にいいんだよ」等の情報は、話のネタとしてはOKですが、そういうことに振り回されないほうが楽しく人生が送れるような気がします。

ですので、お茶屋の私の喜びは、お茶を飲んでもらって「おいしい。うまい。」と言ってもらえることです。

では、どういうお茶がおいしいのということの答えはいろいろ飲んでみるということにつきます。その答えではもの足りないという方は、もう少しお付き合いください。

話は「茶袋の表示」に戻りますが、面白いのは、お茶の場合「添加物を使用しておりません」とうたうことは、景品表示法違反となる可能性があるということです。逆に何か添加物が入っている場合には表示義務があります。そこには茶は本来、添加物を使用するものではないという考えがあるからです。ここにお茶屋の奥ゆかしさ、というか矜持を感じます。

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お茶屋さんと仲よしになろう お茶屋だって仲良く成りたいと思っている

お茶屋さんはどうも入りにくいと思っている方がいると思います。お茶屋のお茶はスーパーや通販より高いと思っていませんか?

そんなことはありません。実は、抜買いではスーパー通販業者のお茶も審査しています。

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一般的に言って、組合加盟店のお茶のほうが評価は高くなっています。もっと言うと、悪くはないというものが多いようです(昨年度の記事『お茶の「Gメン」? 平成26年度「抜き買い審査」実施』をご覧ください。審査方法が載っています。公平性が担保されていることがお分かりいただけると思います)。

もちろん、努力を怠れば負けてしまいますが……。

もしも、あなたがお茶屋さんに入ってお茶を見るとします。選んでからでも、選ぶときでも、その時に二つのことを尋ねてください。

一つ目は「産地」。

Q.「どこのお茶ですか?」A.「静岡です」となったら、もうひと押しです。「静岡のどこですか?」と尋ねてください。池上さんではありませんが、お茶屋は良い質問だと思います。

A.「○○です」あるいは「○○と××のブレンドです」という言葉が返ってくると思います。なぜ、そうしているのか、「それがうまいからだと」いう答えになるかもしれませんが、そうでない返答があるかもしれません。そこはお楽しみということで……。

他の産地のお茶、九州(鹿児島、八女、嬉野)、宇治、三重あたりの茶も扱っていると思います。○○地区と場所までは即答できないかもしれませんが、茶の特長や違いについての同様の説明があると思います。

それと、宣伝も兼ねますが、東京都茶商業協同組合(略して東茶協)公認店3〜4軒で同じ価格帯のお茶を買ってみてください。(写真 認定証)

店構えだけではわかりません。そこから「ご贔屓」の店を探してください。これだけは浮気オッケーです。

煎茶の審査をして

茶袋をチェックしても、おいしさ、香りなどの行政による指針はありませんので、それは、茶業従事者が行うことになります。評価するということは何でも難しいのですが、東茶協においてもお茶審査技術のスキルの維持と伝承、アップを目指して取り組んでいます。

抜買いにおいてもランク付けを行います。商店名は伏せて、結果は組合員に報告をします。また、対象店には個別に結果を知らせています。日本茶の味と香りは意外と複雑です。だから、面白いんです。

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終わりに

この頃、気になることがあります。

抽出したお茶の色のことを水色(すいしょく)と言っています。

ミルイ(やわらかい)お茶を淹れると黄色になりますが、これが本来の色と理解してほしいのです。もちろん、赤味のある黄色や茶色ぽい水色はマイナス要因になります。

緑茶という名前だから、水色も緑だけと思わないでください。

私の尊敬する先輩は緑茶という名前が良くない、日本茶が良いといっていましたが、そうかもしれないと考えています。

でも、そう言い切ってしまうのも微妙なところもあるんです。そもそも茶色というのも、ちよっと変ということになりませんか?

理屈っぽくなって申し訳ありません。

緑色の水色は深蒸し茶、被せ茶などが考えられますが、深蒸し茶は淹れて、しばらくすると粉が沈み本来の黄色の水色が出てきます。それと粉を残す人がいますが、それは飲んでください。そこが、深蒸し茶の良いところなのです。

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